家庭の幸せをつくる②

テーマ:あったかい家
インフルエンザが猛威をふるっています。東京では3才の幼児が新型インフルエンザによる発熱が原因で、脳症となり亡くなられたとの報道がありました。悲しいことです。心からお悔やみを申し上げ、どうか幼い命が守られるようにと祈ります。

さて、昨日に続いて家庭を幸せにする親のあり方、第三の情操を深めるについて、考えてみたいと思います。

情操というのは道徳的・宗教的な精神の上に乗って働いている感情です。親がやってみせるので、子どもはそれを真似ていくわけです。例えば食事のとき、「有り難うございます、いただきます」など、親自身が感謝の祈りをして食事を頂くようにすると、子どもはそれを真似てくるようになります。こういう点は、親の姿勢によってたいへん大きく左右されていきます。

ドイツの哲学者カントのお話ですが、カントの母はキリスト教徒だったので、夜休むときには必ずベッドの前で感謝の祈りをしていました。「今日一日元気で過ごすことができたことに感謝します。有り難うございました。おやすみなさい」という具合にです。母の姿を見てカントも、お母さんに添うて真似をして、お祈りをして休む。それが毎日のことですから、カント自身が習慣のように神に対する祈りを覚えていったそうです。また、道を歩いていても、野の草花を見ても、神の恵みによってこの草花が育つということを、カントの母は教えたようです。このようにカントは育ちましたので、両親のこういう情操教育を受けて、後には大哲学者になりました。つまり、両親のそうした心の影響というものが、こうして子どもの幸せをつくっていくと思います。

ピクニックや山野を歩くなど自然への参加は情操教育に欠くことができません。そこから子どもに教えることがあります。例えば、水について言えば、本当に日本は恵まれた国です。中近東やアフリカなどの砂漠の多い国に行きますと、水筒一杯の水が貴重品です。しかし、日本は恵まれているがゆえに、感謝の心がありません。こういうようなことに対して、感謝しなければならないことを、親が子どもに話して聞かせることにより、自然の恵みに対して感謝の心を持つようになっていきます。

大東亜戦争のときのある陸軍将校の話ですが、この方はボルネオ・スマトラ方面軍司令官で、師団長としてその方面の全体の支配をして世話をしておられました。ところが日本は敗戦しましたので、この方のような師団長などは重刑になった人が多いのです。ところがこの方は、原住民を大切にして来られたので、「この山田国太郎は普通の将軍ではない、我々を保護してくれた人である」と言って原住民が証明したので、いち早く帰還することができたそうです。さらに、この方曰く。自分はいささかでも原住民のために尽くしてきたので、自分の命は救われて帰ることができたと、思っていた。ところが、よくよく考えてみると、自分が気がついたのは、そういう心を育ててくれたのは誰かということでした。それは家庭だということです。わが両親、わが祖父母が持っているものが、私を育ててくれたということです。

この方は、仏教の信仰がたいへん深い家だったので、両親や祖父母から、仏教的教養で育てられたということが大きかった。特にお祖母さんは、添い寝をしながらお釈迦さんの話をしてくれたそうです。そのときにお祖母さんは、「一寸の虫でも五分の魂がある。決して虫一匹でもそう簡単に殺してはならない。みんな命があるのだから大事にすることが大切だ」と話してくれたそうです。こういう話を添い寝をしながら、やさしく話してくれたそうです。それがだんだんと、この体にしみ付くように、親の持っているもの、ならびに祖父母の持っている教養、品性が影響したのです。

こういう話から、いかに親自身の持っている情操というものが、子どもの幸せに影響するかということです。親自身の持っているものを、常に子どもは模倣していきます。このような信仰心のある家庭が、子どもの情操を深めていくのです。

未来を担う子どもたちに、明るい家庭で育ってほしいものです。
感謝

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