人と生まれて
孤独感に悩まされている人
危機的な場面に遭遇すると、誰でも赤裸々な自分をさらけ
だす。多くの困難を切り抜けてきた人ほど、だから自己への
理解が深く、幻想をもたないのが常である。
動物は子孫をもうけ得る時期だけしか交わりません。
然るに我々人間は、このいまわしい万物の霊長はですね、
快楽が得られさえすればかまわんというわけで、時と場所を
わきまえません。とトルストイはいっている。
なるほど、そのとうりだと思う。人間の性欲は時と場所を
わきまえず起こってくる。が、動物たちでも、いつでも食べ
物が手に入り、敵から攻撃される危険のない環境に長く
おかれると、性欲は恒常的になってくるらしい。
動物園のライオンは、いつも満腹であり、あとは何もする
ことがないのである。もっぱら異性を求めて交わるという。
そのため、野生では絶滅を早めているライオンが、動物園
では増えている。
性欲を強め、性行動を起こさせるのは、嗅覚である。
しかし、男女では少し性欲の起こり方が違っている。
男性は、観念的な要素、つまり、想像したり、見たり、
聞いたりしただけで、強く性的な興奮をおぼえて性行動に
移りたいと感じる。が、女性は、皮膚にふれ、粘膜えの
刺激によってでなければ、性的興奮は起こらないのが
普通であるらしい。
男性の性行動は、多分に、大脳の新しい皮質の知的な
働きに係わり合いがある。これに対して女性の性行動は、
古い皮質の本能的な働きによるところが多いといわれて
いる。
時と場所を選ばない人間の性欲は、食べ物や環境に
関係があるらしい。発達した広い大脳の前頭葉にかかわり
があるそうだ。むろん、種族保存のための本能によっても
動かされる部分も大きいのだが・・・。
食欲と並んで人間の最も根源的な欲望が性欲である。
性欲を満たすことによって、男女はヨリ深く理解しあい、
心と心を強く結びつける。
孤独はこの世で一番恐ろしい苦しみだ。どんなに激しい
恐怖にも、みんなが一緒なら、堪えられるが、孤独は死に
等しい。
「袖すりあうも他生の縁」
「友には友があり、その友にはまた友がある」

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